乳腺組織に作用する女性ホルモン

女性ホルモンと乳腺に関する基礎知識

乳腺組織に作用する女性ホルモン

 

乳腺とは、出産時に母乳をつくり分泌する腺組織のひとつです。主に母乳をつくる小葉と母乳を乳頭まで運ぶ乳管とで構成されています。その発達には女性ホルモンの作用影響が大きく関わっています。

 

 女性ホルモンは妊娠・出産ができるような心と身体を形成するために脳の脳下垂体からの指令を受けた卵巣が分泌するホルモンのことで、主に「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類に大別されます。

 

 エストロゲンは月経が終わってから排卵前にかけての「卵胞期」に多く分泌されるホルモンで、女性らしい身体をつくる役割を担います。プロゲステロンは排卵後から次の月経にかけての「黄体期」に多く分泌されるホルモンで、主に女性が妊娠しやすい身体の環境を整える働きをします。

 

 女性が思春期を迎えると、エストロゲンとプロゲステロンの卵巣から分泌される量が急増し、ふたつの女性ホルモンが乳腺に作用してこれを発達させ、豊胸がはじまります。さらに妊娠を機に胎盤が形成されるとそこからもふたつのホルモンが多量に分泌されていきます。こうして、乳腺は著しく成長し、完成されていきます。

ホルモンバランスが乱れると大変です

ふたつの女性ホルモンは「生理期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」といった生理周期に合わせてそれぞれの分泌量を変えています。

 

正常の生理周期はおよそ25~35日とされており、そのうち、エストロゲンは「卵胞期」に、プロゲステロンは「黄体期」に活発に働き、女性の心と身体をつくるのを助けます。このように、ふたつのホルモンは生理周期に合わせ、一定のリズムを保っているのです。

 

 

 しかし一方で女性ホルモンはとてもデリケートであり、乱れやすい。睡眠不足や偏った食事、ストレス、無理のあるダイエット等によって脳下垂体に負担がかかります。そのために卵巣に適切な指令が出せない状態に陥り、結果としてホルモンバランスに乱れが生じてしまうのです。

 

 バランスが乱れると女性のバストの下垂れや体重の増加、生理不順、肌荒れ、情緒不安定等、心身に様々な悪影響を及ぼすだけでなく、深刻な病気につながることもありうるのです。

ホルモンバランスの乱れによって起こる病気

女性ホルモンのバランスの乱れが原因で起こる病気の代表例が更年期障害です。加齢に伴いエストロゲンの分泌量が減少することで起こります。のぼせ・めまい・発汗・動悸といった症状が出てくるようになり、そのまま放っておくとうつ病等精神的な病気にまで発展します。

 

 

 また、自律神経失調症もそのひとつ。ホルモンバランスの乱れは自律神経にも作用して不調をきたし、めまい、ふらつき、動悸、息切れ、頭痛、不眠等を引き起こします。

 

 その他にも、プロゲステロンの分泌量が減少してしまうと排卵後に子宮内膜を妊娠に適した状態に維持することが困難になる「黄体機能不全」を引き起こし、不妊を招く恐れがあります。

 

 女性ホルモンはバランスを整えることが大事です。そのためには、バランスのとれた食事や良質な睡眠をとる等して規則正しい生活を心がける必要があります。日常生活でストレスを感じている人や疲れがたまっている人はゆっくり休むことも大切です。